【東京】定例研究会報告 ナチスの憲法理論とその危険性

9月3日夕方、民族文化研究会東京地区第29回定例研究会がZOOMで開催されました。ZOOMでの開催は3回目。
今回の報告は会長・輿石逸貴氏(弁護士)による「ナチス憲法理論とその危険性」。最近、奥野励氏によるドイツ関連の報告が2回あり、それに続くドイツ関係報告であった。
報告は、ナチス支持の公法学者として知られたオットー・ケルロイター『ナチス・ドイツ憲法論』(昭和14年、矢部貞治・田川博三共訳)の著作にもとづき、ケルロイターが「民族」を至上価値として民族共同体を唯一の法源としたこと、民族としての人格権を基本権として認めたことなどを紹介しました。同時に、その「民族」概念の曖昧さや人種差別の正当化、政治の憲法適合性が問題とならなかったことなどが指摘されました。
質疑では、カール・シュミットとケルロイターの対立や、ケルロイターのイギリスや教会に対する見方、カトリックプロテスタントにおけるユダヤ人観などが話し合われました。今回の輿石氏の報告については、同氏のYoutubeチャンネル「弁護士コシのひのもとちゃんねる」にて公開予定です。次回の研究会は、11月上旬にZOOMにて開催予定となりました。
(東京支部・事務担当補助)

 

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オットー・ケルロイター