会長講話「これまでの10年を振り返る―民文研結成10周年に際してー」

会員各位

 今年、弊会は結成10周年を迎えました。この節目となる年を迎えたことを踏まえ、会長として講話を行い、弊会の歩みを振り返ると共に、これからの活動の指針を明らかにしたいと思います。

 弊会は今から10年前、平成28年に結成されました。弊会の結成の由来を説明するためには、国策研究会という団体について言及する必要があります。もともと、早稲田大学に国策研究会という学生団体があり、弊会の発起人たちはその団体の構成員でありました。

 そこでは、自主勉強会や外部講師を迎えての講演会を開催することで、会員の知見を高める活動が行われていました。大学卒業後も、こうした活動を続けたいという思いがあり、国策研OBの受け皿となる団体を作ることにしました。

 そこで、結成されたのが、ほかならぬ弊会なのです。会長(輿石)、事務局長(有坂)、東京支部長(渡辺)はいずれも、国策研究会出身者です。その後、国策研と関りの無い方の入会が相次ぎ、弊会の性格も変わりましたが、当初は国策研のOB会のような状態だったわけです。

 こうして、弊会は出来たわけですが、ここで新たに活動の指針としたのが、民族文化や民族問題の学術的研究でした。現在の世界を見ますと、民族をめぐる問題が喫緊の課題になっています。グローバル化が進展し、ヒト・モノ・カネの世界的流通が加速する中で、伝統的な民族文化は退潮しつつあります。

 他方で、文化摩擦の結果として、世界各地でテロや紛争が勃発している現実もあります。グローバル化の矛盾として、所謂エスニック・アイデンティティの衰退と暴発が、同時並行的に発生していると言えるでしょう。

 こうした世界的課題である民族文化・民族問題を、弊会では扱うことにしました。もともと、われわれの出身母体である国策研究会は右派の学生団体で、そこではグローバル化への批判であるとか、日本の伝統文化の再考であるとかが、さかんに唱えられていました。その延長で、民族文化・民族問題に腰を据えて取り組もう、という問題意識が出て来たのです。

 具体的には、各国の民族文化や民族問題を研究することで、エスニック・アイデンティティの健全な在り方を明らかにし、世界各国、各民族が自身のルーツに誇りを持ちつつ、お互い平和に共存する状態を何とか作り出そう、という思いがありました。

 ただ、実践的な政治運動というよりは、そういうものとは距離を置いて、学術的研究に軸を置くことにしました。そこで、自主勉強会である定例研究会をスタートさせつつ、外部の有識者の方に会の顧問をお願いすることにしました。

 この時、協力して頂いたのが、金子宗徳先生(国体学者、里見日本文化学研究所所長、亜細亜大学非常勤講師)、宮田昌明先生(歴史学者、京都大学文学博士)、山本直人先生(文芸評論家、東洋大学非常勤講師)の各先生です。特に、金子先生には多大な御協力を賜り、里見日本文化学研究所の機関誌(「国体文化」)に弊会の会報「大八洲」の広告を掲載して頂いたりしております。

 こうして、弊会は何とか学術団体としての体裁を整えました。東京の定例研究会は軌道に乗り、弊会会員の関西移住を契機として、関西支部も結成されました(平成30年)。また、研究の成果を世に問うため、会報「大八洲」の刊行も行われるようになりました(令和2年より)。

 現在、東京と関西の定例研究会開催数は、合わせて120回に達しようとしています。また、会報「大八洲」も、第5号まで刊行されています。この会報の誌友は150名に達しました。一見すると、順調のように思えますが、慢心せずに引き続き精力的に活動していきたいと思います。

 さて、過去の回顧はこれくらいで終え、これからの活動の指針を示したいと思います。現下の世界を見ますと、民族問題が紛争の火種となる状況は相変わらずのようです。また、伝統文化の衰微も、近年になって更に速度を上げているように思えます。

 すなわち、引き続き、民族文化と民族問題の学術的研究が、重要な価値をもつ状況は続いているように思えます。すなわち、弊会の活動は、なお一層、重要な意味をもつと考えられるわけです。従来の指針を現代の状況に適合させつつ、活動を促進することが、肝要なのではないでしょうか。

 ただ、一つ注文を付けるとすれば、たとえば伝統文化に関する研究は弊会の例会で多数行われていますが、その伝統文化を「どう守るか」あるいは「いかに蘇らせるか」という視座からの研究は少々手薄になっていたようにも思えます。

 弊会は政治運動団体ではなく、あくまで学術団体であるという自己認識でやっているので、あまりにも実践論に傾くのは問題があるでしょうが、こうした視座は少しはあってもよいように思えます。これが、これからの活動に際して、重要な指針になるように思えます。

 最後に、この場を借りて、会員各位にお礼を申し上げます。会員各位の御協力が無ければ、弊会の活動は成り立ちません。弊会が結成10周年を迎えられたのも、ひとえに会員各位の御協力の賜物だと思います。引き続き、弊会の活動に御協力下さいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

民族文化研究会会長
弁護士 輿石逸貴

祝・弊会結成10周年

弊会会員各位

 弊会は、2016年(平成28年)に結成されて以来、民族文化・民族問題の学術的研究という綱領に則り、活動を続けて参りましたが、今年(2026年、令和8年)結成10周年を迎えることが出来ました。これも、ひとえに会員各位の御協力の賜物だと思います。この場を借りて、会員各位にお礼申し上げます。次は20周年を目指し、弊会は活動して参ります。会員各位におかれましては、引き続き御協力のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

民族文化研究会事務局

 

【関西】次回の定例研究会のご案内

次回の民族文化研究会関西地区定例研究会は、下記の要領にて開催します。万障繰り合わせの上ご参加ください。

民族文化研究会 関西地区第80回定例研究会

日時:令和8年4月26日(日)16時00分~19時00分
会場:貸会議室オフィスゴコマチ 411号室
京都府京都市下京区御幸町通り四条下ル大寿町402番地 四条TMビル
https://office-gocomachi.com/
会費:1,000円
主催:民族文化研究会関西支部

 

謹賀新年

弊会会員各位

 

 旧年中は、格別の御高配を賜り、誠に有難う御座いました。昨年は、皆様の御協力を賜り、弊会の活動を滞りなく行えました。

 本年も、弊会は結成趣旨に従い、活動に取り組んで参ります。会員各位におかれましては、本年も弊会の活動に更なる御理解・御協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

 

令和8年
皇紀2686年 元旦

 

 

【関西】定例研究会報告 俳人・山田みづえの前半生

 10月26日(日)、民族文化研究会関西地区第79回定例研究会が開催された。今回はdiscord(チャットアプリ)を使用したオンライン上での開催だった。報告者は半木糺氏、報告題目は「俳人・山田みづえの前半生」。

 山田文法学で知られる国語学者、山田孝雄の息女である俳人の山田みづえは自身の幼少期の体験を『風のこゑー次女ものがたりー』という書籍に随筆風に記している。本報告では、同書を手掛かりに、戦前の大学教授の娘がどのような文化資本を享受して、どのような教育を受けたのか、考察を行った。

 

 

 

【関西】次回の定例研究会のご案内

次回の民族文化研究会関西地区定例研究会は、下記の要領にて開催します。万障繰り合わせの上ご参加ください。今回は、discord(チャットアプリ)を使用したオンラインでの開催です。

民族文化研究会 関西地区第79回定例研究会

日時:令和7年10月26日(日)16時30分~19時30分
参加方法:参加希望者は、当会公式アドレス(minzokubunka@gmail.com)まで連絡し、氏名とEメールアドレスをお伝え下さい。discord上での会議に参加するためのURLをお送り致します。URLを開催日時に開き、研究会にご参加下さい。
参加費:無料
主催:民族文化研究会関西支部