10月22日(日)午後、貸会議室オフィスゴコマチ(京都市)にて、民族文化研究会の関西地区第62回定例研究会が開催された。
報告者は、同会の有坂事務局長。「戦時体制と憲法学――黒田覚と大串兎代夫を中心として」と題し、報告を行った。
戦前期の日本では、経済恐慌や対外関係の悪化など、危機的状況に直面する中で、危機に対応できる、強力な戦時体制が求められるようになった。
そして、こうした動向を受け、当時の憲法研究者も、戦時体制を構想し、戦時体制の構築に参加するようになった。本報告では、憲法史研究の一環として、こうした憲法研究者による戦時体制論を検討する。
とりわけ、積極的に戦時体制論を展開し、当時の議論の中心にいた論者である、黒田覚〔明治33年(1900)~平成2年(1990)〕と大串兎代夫〔明治36年(1907)~昭和42年(1967)〕に注目した。
今回の研究会には、関西を訪問中の金子宗徳氏(同会顧問)が出席し、また報告後の質疑応答も活発で、非常に盛会だった。