5月21日(土)午後、民族文化研究会の関西地区第45回定例研究会が開催された。今回も、前回と同じく、Skypeを使用したオンラインでの開催となった。
報告者は有坂氏。「里見岸雄の憲法思想――戦前期の国体論と憲法学」と題し、報告を行った。戦前期の憲法学史において、特異な地位を築いていた里見岸雄の憲法思想を、とりわけ国体に関する議論を中心として概観した。
里見は、戦前期の思想界において、斬新な国体論を展開し、注目を浴びた。その後、里見の関心は、国体の法的側面である帝国憲法へと向かい、憲法研究に進む。里見の憲法研究は、佐々木惣一にも注目され、当時の学界で大きな存在感を持った。また、里見は、自身の憲法学説に立脚し、天皇機関説事件にも応答を試みた。
今回の研究会は、報告後の質疑応答も活発で、盛会だった。