先日発行された『大八洲』第3号の内容を簡単に紹介させて頂きます。『大八洲』の購読をご検討の方は参考にして下さい。
論説
まず、論説から見ていきましょう。竹見靖秋「『神道本局抹殺論』をめぐる論争」は、明治維新後の政教関係のため、特異な地位を占めることになった神道本局(現:神道大教)をめぐって生じた論争を検討しています(6頁)。
半木糺「田中卓の歴史教育観」は、田中卓が自身の執筆した歴史教科書を元に刊行した一般向け歴史概説書である『教養日本史』をもとに、田中がいかなる歴史教育を理想としたのかを考察しています(17頁)。
輿石逸貴「ベトナム民族運動と『民族の権利』」は、ベトナム民族運動の中で形成された、民族の自主独立を訴える「民族の権利」概念を検討しています(22頁)。
連載
続いて、連載記事をご紹介します。二回目を迎えた竹見靖秋「祭神論争の過程」は、明治期の神道界を揺るがした「祭神論争」と呼ばれる論争・内紛について、藤井貞文らの研究に依拠しながら概観を試みています(30頁)。
書評
書評欄では、民族の文化的アイデンティティに関連した近時の注目作である、谷崎昭男『保田與重郎――吾ガ民族ノ永遠ヲ信ズル故ニ』と川久保剛他『方法としての国学――江戸後期・近代・戦後』を取り上げさせて頂きました(25頁、27頁)。
このように、本誌に所収された諸論考は、わが国の民族文化と、諸外国の民族問題について、鋭利な考察を展開しています。こうした分野に関心をお持ちの方は、弊誌の購読をご検討下さい。
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