先日発行された『大八洲』第2号の内容を簡単に紹介させて頂きます。『大八洲』の購読をご検討の方は参考にして下さい。
論説
まず、論説から見ていきましょう。竹見靖秋「神道と一神教の狭間で――二教団を例として」(6頁)は、佐藤定吉の「皇国基督会」と小川勇の「生成教団」という二つの教団を考察対象とし、キリスト教を包摂した新たな神道像を打ち出そうとした、近代神道の特異な展開を活写しています。
半木糺「『西郷隆盛』をいかに受け止めるか——『思想家』葦津珍彦と『思想史家』先崎彰容の西郷像の比較」(12頁)は、葦津珍彦と先崎彰容の西郷隆盛像を比較することで、近現代日本の知識人が西郷隆盛をいかに解釈してきたのかを考察します。
宮田昌明「民族と民族主義への視点」(16頁)は、陸羯南や加藤弘之を中心とした近代日本における国粋主義思想や、ゲルナーやアンダーソンを中心とした現代世界におけるナショナリズム論をもとに、民族主義を多面的に論じています。
連載
続いて、連載記事をご紹介します。二回目を迎えた渡貫賢介「萩野貞樹『歪められた日本神話』を読む――日本神話への一視点」(25頁)は、従来の誤解や偏見を排した日本神話理解を得るため、萩野貞樹の日本神話研究を精緻に読み解いていきます。
今回始まった新連載である竹見靖秋「祭神論争の過程」(28頁)は、明治期の神道界を揺るがした「祭神論争」と呼ばれる論争・内紛について、藤井貞文らの研究に依拠しながら概観を試みています。
書評
書評欄では、民族の文化的アイデンティティに関連した近時の注目作である、西田彰一『躍動する「国体」 筧克彦の思想と活動』と野村幸一郎『二・二六事件の思想課題』を取り上げさせて頂きました(21・23頁)。
このように、本誌に所収された諸論考は、神話・神道・元号・国学など、わが国の民族文化の核心にある主題を考察しています。こうした分野に関心をお持ちの方は、弊誌の購読をご検討下さい。
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