【東京】定例研究会報告 弱肉強食批判と『昆虫記』・縄文文化は日本の伝統たりうるか

 平成30年11月25日(日)14:00-17:00、民族文化研究会東京地区第18回定例研究会が早稲田奉仕園にて開催されました。

 第一報告は小野耕資氏(本会副会長・大アジア研究会代表)による「弱肉強食批判と『昆虫記』」。ファーブル『昆虫記』翻訳に賀川豊彦大杉栄らが関わった歴史を紹介し、彼らのなかに弱肉強食・生存競争的世界観への批判と新たな秩序への模索という共通項があり、単純な〈右翼〉〈左翼〉といった思想軸ではくくれない近代批判があると指摘されました。

 第二報告は山本直人氏(本会顧問・東洋大学非常勤講師)による「縄文文化は日本の伝統たりうるか~民族のアイデンティティーをめぐるジレンマ~」。「縄文文化」の近代史上における位置づけを回顧したうえで、皇室や米作といった日本の伝統に対する「縄文文化」の位置付けの難しさを問題提起されました。

 一定以上学問的・専門的な関心を持ちつつ、報告とそれにもとづく質疑・談話などによって知識を共有していく試みを今後も継続して参りますので、関心のある方はお気軽にご参加下さい。

 次回は平成31年2月17日(日)14:00~早稲田奉仕園105号室にて開催予定。
(事務担当・渡貫)

 

f:id:ysumadera:20200413022258j:plain

大杉栄訳の『昆虫記』