謹賀新年

当会関係者各位

 

 旧年中は、当会の活動をご支援頂き、誠にありがとうございました。振り返るに、昨年は内外ともに、波乱に満ちた一年でありました。まず想起されるのが、列島を相次いで揺るがした災害でしょう。近畿における大雨被害や北海道における地震が、甚大な被害をもたらしました。この際に、近畿では関西国際空港の一時封鎖が、北海道では全土の停電が引き起こされ、インフラひいてはそれに支えられた日常生活の脆弱性が露呈しました。続いて印象深いのが、米中貿易戦争の勃発を中心とする国際情勢の急展開でしょう。当初は、トランプ政権の基本的体質である保護主義の表出に過ぎないと捉えられていた米中貿易戦争は、ペンス副大統領による中国脅威論を訴える演説を契機に、経済的紛争を越えた含意をもち始めることとなり、米中による「新冷戦」の様相を深めています。これと関連して、中国通信機器大手華為技術(ファーウェイ)幹部の逮捕事件も生じ、こうした米中対立の構図はいっそう浮き彫りになりました。

 こうした内外の困難に対し、わが国は一丸となって結束し、毅然として対峙しなければならないのは、言うまでもないでしょう。今年は、天皇陛下の御譲位による代替わりを控えており、文字通り時代が転換する年となります。国民がいかに結束し、新時代を切り開いて行くのか、問われるでしょう。では、こうした国民の結束は、いかにして実現されるのでしょうか。単なる時局的な政策論を越えた、民族の文化的・精神的な基層こそ、こうした国民の結束には不可欠ではないでしょうか。ここで、当会の伝統的な民族文化・民族生活の再検討という問題意識は、非常に意義をもつと思われます。昨年、当会は関西支部を発足させました。ささやかですが、こうした当会の活動の伸長を、さきほど言及した当会の活動の意義の高まりという状況下で、さらに高めていきたいと考えております。これまで以上のご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

 

平成三十一年元旦 民族文化研究会

 

(文責:関西支部長 湯原静雄)

 

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