当会の紹介

 民族文化研究会は、早稲田大学によって「学生の会」として公認されている政治学術サークルである国策研究会のOBを中心として結成されました。国策研究会は、昭和19年の創設から、政治を中心とする諸学の研究を通して、会員の知見を深める活動を展開し、早稲田大学でも有数の伝統をもつ政治学術サークルです。ですが、こうした実績を誇る一方で、学生サークルという性格から、卒業した会員は国策研究会での勉学や活動から距離を置かざるを得ない現状がありました。そこで、平成28年に、卒業した会員の有志によって、勉学や活動を継続するため、国策研究会のOB組織である民族文化研究会が結成されました。

 これから、民族文化研究会では、学術的な研究を通して、会員の知見を深める、国策研究会の方針を継承し、定例研究会の開催や、会報誌の発刊といった活動を展開していきます。ですが、国策研究会のOB組織とはいえ、外部から会員を募り、独立した組織として運営していく以上は、民族文化研究会も独自の方針を提示しなければなりません。こうした独自の方針として、民族文化研究会が提示するのが、伝統的な民族文化・民族生活を、活動の立脚する理念とすることです。グローバル化が進展し、人間・資金・物資の世界的流通が加速するなかで、伝統的な民族文化・民族生活の退潮が見られるとともに、文化摩擦の結果としてテロや紛争が勃発しています。いわば、グローバル化の矛盾として、エスニック・アイデンティティの衰微と暴発が、同時並行的に発生しているといえるでしょう。こうした現代的課題を解決するためには、伝統的な民族文化・民族生活を再検討していく必要があります。民族文化研究会では、こうした伝統的な民族文化・民族生活の再検討を、活動の中心としていく予定です。具体的には、わが国の伝統的な民族文化・民族生活の研究と、世界の諸民族を取り巻く問題の考察の二つを、活動の主軸とします。民族文化研究会は、こうした方針に基づいて、定例研究会の開催や会報誌の発刊を通して、研究と教育を展開していきます。